6月6日に「第5回介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が開催され、6つの事業所からのヒアリングが行われました。
第5回介護労働者の確保・定着等に関する研究会資料(平成20年6月6日開催) WAMネット
特別養護老人ホーム光風荘
介護老人保健施設ハートランドぐらんばぐらんま
株式会社やさしい手
特定非営利活動法人サポートハウス年輪
特定非営利活動法人暮らしネット・えん
株式会社ベネッセスタイルケア
・職員採用に関しては募集に対して、補充に時間がかかる
・募集に対する応募が少ない
・人づての中途採用の増加
・新卒応募者の減少
などの傾向があるようです。
それぞれの事業所とも、職員不足のリスク管理を踏まえ、さまざまな離職防止の為の取り組みや採用戦略などを行っています。
そういった人材確保の為の戦略やリスク管理なども含め、収益減であるにも関わらず、人件費の増加という現象に現れているのかもしれません。
介護施設の利益率、軒並み大幅低下 07年厚労省調査 NIKKEI NET
平成19年 介護事業経営概況調査 厚生労働省
特に小規模事業所等では、単独で離職防止の為の戦略に取り組みにくいことは想像に難くないことでしょう。
しかしある意味介護職に対する注目が高まることで、これまで着目されていなかった問題点が浮き彫りになってきています。
例えば専門学校を出て有資格者となって就職したとしても、介護に関する技術は実習で養うことができても、ヘルパーのような生活全般を援助する(例えば食事など)ことは実際のところ困難が予想されます。また管理者など事務系の職員になった途端に離職してしまうといったケースも増加傾向にあるということも報告されています。
どんな業種であれ、中間管理職はストレスを抱えることでは共通していることでありますから、それ自体は致し方ない面もあるかもしれません。しかし、問題なのは、管理職にいたるまでのプロセスであり、社内教育が充実していないこと、専門職養成にあたり、そういったプログラムも組まれていないことから、その急激な業務内容の変化と精神的ストレスに耐性ができにくいといった面もあるのではないかと思われます。実際のところ、介護保険制度を理解していない介護職員も少なくはないと思います。しかし資格取得後に配置転換され、いきなりマネジメント、ソーシャルワーク、ベッドコントロール、職員管理などを求められたところで、じっくり育成する余裕も事業所が持ち合わせなければ必然的に職員にしわ寄せが行くことは明白です。資格が仕事をしてくれるわけでもなく、資格を取得したからといって急に仕事ができるようになるわけでもありません。
人材育成に関して、養成プログラムなど制度的な面に依存しなければならないことは否定できませんから、国も下手に資格(専門介護福祉士など)を増やすのではなく、キャリアパスを示せるような養成プログラムを構築することも求められます。また今後事業所側も離職防止だけでなく、組織に必要な人材育成をするために長期的な人材育成プログラムを構築することも必要になるでしょう。
人事考課に関しては、当然評価する側の厳正なる教育が必要となり、評価システムそのものも公平・正確なものでなければなりません。介護という評価しずらく、明確な基準もない業務をだけに、人事考課という面でリスクを孕んでいることは否定しえません。
それだけに単に上司に覚えがいいということで評価されてしまうようなことがあれば、即組織への不信感につながり、離職を促進しかねない可能性ももっていると思います。
職員をどうつなぎとめるのか?だけではなく、組織がどう変わればよいのか?という視点も事業所には求められるのではないでしょうか?
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HP あいづのふくし
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>収益減であるにも関わらず、人件費の増加という現象に現れているのかもしれません…こんな事やっているからマトモな事が出来ないのだと思います。
収益もないのに人件費を上げるのがまともじゃないと思わない経営者や上司ならやめたほうがいいよ。こんな事は論外で、議論の余地なし!
福祉の経営センスが問われるという事を認めた上の議論にしていかないと話はいつまでもお涙頂戴の論理で最後は寄付という事業所になるのは当たり前になってしまう。もっとも昔ほど寄付も集まらないのが現状だが…!!
経営センスのない中間管理職は仕事を全うする事が出来ないから当然辞める事になるのは当たり前です。どこの会社でも中間管理職は経営センスがなければ自分たちの仕事がいかになっているかを掌握する事ができません。どれ程組織化したとしてもそのようなセンスは個々の能力に応じたものであるので事業所単位で育てるのも難しいかな?出来たとしてもかなり時間がかかりますね。
事業所の体制という問題もさることながら給料を貰いながら仕事を覚えて、収益もないのに給料の増額は当たり前で、中間管理職になれば辞めてしまう…やってろ!!(怒)になるのは当然だと思うは私だけですか?一般企業でこんな事やったら倒産どころか呆れられて相手にもされませんよ。
介護保険の収益については、上限が決められている為、経営努力というのは、いかにその上限からの減を減らすか、ということになります。介護保険施行以降、施設の報酬単価引き下げや利用者一人あたりの収益も下がり、更にその上限は低くなっている為、当然収益率は低下しています。
人件費の増加は、人員配置の関係もあり、一概に一人あたりの人件費が増加しただけとは言えないところもあります。
管理者になると退職者が増えるということについてですが、もちろん個人の資質に帰するところはありますが、残念ながらこの業界に組織として人材育成という概念が浸透していないこと、先に書いた報酬などの関係もあり、長期的な人材育成をできるほどの人員を配置する余裕がない、組織というにはまだまだ未熟なところが多いということが現状ではないかと思います。当然管理職に対するフォローも足りていないということも現状ではないかと思われます。今までやっていた業務からまったく異なる能力を求められる、しかし組織はフォローできない、故に個人的な資質や意欲に頼らざるを得ない、そんな状況が限界にきているのかもしれません。
走りながら考えてきた介護保険は、当初受験有資格者であれば、本人の意思に関係なく、必要だからとにかく受けろ!的に介護支援専門員になり、現在管理者となっている人もいます。当時は試験もテキストそのまま抜粋で、語尾が変わっている程度だったと思います。
また、病院や福祉系法人格・企業などにおいて縁の人物や土地の関係者がそういった管理ポジションについてしまっている経過もあると思います。
結果、制度について無知な者・熱いハートもなければ、クールに膨大な仕事をこなす能力のない者・・・・・そんな方がいらっしゃる事も否定しえません。
故に、本当に真剣に介護を考える者・対象者の心身や生活を支えようとする者、そのような有能な人材には、多方面からの期待が掛かります。当然、管理者を兼ねる事もあります。
ただでさえ、膨大な業務、変化にとんだ対象者を抱え、周囲の職員への目配り、自治体との交渉・・・・・いろんな面で負荷が掛かっていると考えます。
報酬自体が減少している中、おそらく事業体として収益を上げる・経費を減らせ。そういう事を言われ続けるのが、管理者・職責者の現状だと思います。加えて、この仕事に求められる必要なサービスや法整備へのアクションを起こさなければならない力量・・・・・それらが複雑に絡んだまま圧し掛かり、離職に繋がるように思われます。
惰性で仕事をする人たちではなく、本当に福祉や介護を考える人たち。部下も管理者も、そんな人たちが、それぞれ支えあっていくにはどうしたらいいのか・・・・・考えます。
私はこの介護保険制度の是非はともかくとして、高齢者福祉は過渡期だと思っています。制度はもちろんのことですが、人材的にもそうではないでしょうか?
ただ人材については正常な人材淘汰がされず、ぽじさんが仰られるように”本当に福祉や介護を考える人たち”が制度に、事業所に、業務に淘汰されているような状況に陥っているような気もします。
どんなにつらくても支えあえる仲間がいるだけでも少しは変わるのかな?なんて思ったりもします。
今は過度期という言葉が正しいとか当たっているかどうかはかなり?になったりしますが、最初にしては余りに内容がお粗末で市民レベルでその内容を受け入れにくい事は間違いないと思います。もう一度再編した方が良いと思うくらいの内容だという事を熟知して貰って今後に繋げて貰いたいと思っています。そうなれば私達も手を取り合って進む事は可能だと思います。
言うは簡単ですが実行する事が目的なのですからお互いに受け容れあえる環境を整えたいと思っています。
同郷の方というので、ちょっと覗きに参りましたが、職員の方でしょうか。
福祉の重要性は今後益々高まりますね。しかしこのままでは世代の格差も拡がり“老人が老人を看る”それがあたりまえになりそうな気がします。実は私の娘も市内の福祉施設に従事しておりまして、いろんな話を聞かせてくれます。やっぱり根本的な制度の見直しが必要なのだと感じています。また参ります。
私自身福祉に関る仕事をしております。
娘さんが施設で働いていらっしゃるのですね。なんだか勝手にですが、ますます親近感が湧いてしまいます。
仰られるとおり、改革が必要だと思います。何もかにも削減方向で動いていますが、削るところを間違えているように思います。
またいらしてください。
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