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プライバシーの侵害
認知症グループホームに「見守り」カメラ 製品化中止 asahi.com

石川県内の大学の研究者らで構成されたグループが開発を進めていた見守り支援システムについて、グループホームの全国組織であるNPO法人全国認知症グループホーム協会(木川田典彌代表理事)がプライバシーの侵害であると反対したことで、研究グループが製品化を中止しました。

利用者や家族には承諾を取り、石川県内の3グループホームで設置され、運用していたようです。
職員からの評判は好評だったようです。

このカメラの設置に関して、プライバシーの侵害ととるか、利用者の安全の為の見守りととるかは別れるところです。

・介護職員が離れた場所からも入居者の見守りが可能となり、ゆとりを持って介護ができる。
・外に出て徘徊する可能性のある入居者に注意を払っていると、他の入居者の見守りや炊事作業などに専念できない

上記のような目的のために開発に着手したとあります。
ゆとりのない介護は、職員の余裕を奪い、ひいては利用者へのケアにも影響するでしょう。
ゆとりのある介護ができれば、利用者への適切なケアを提供することも可能です。普段できないこともできるようになるでしょう。
しかし、ゆとりのある介護と職員にゆとりがあるということ、ゆとりがあるから必ず適切なケアが提供できるということは、必ずしも同義語ではないと思っています。
現状では、介護・看護する職員の質に大きく依存せざるをえない状況であり、必ずしも施設間、事業所間で同じようなレベルではないこと、同じ事業所内であっても職員によってケアの質が同じレベルの範疇であるとくくれないくらいに異なってしまうことは否定できないことだと思います。
それだけにプライバシーの問題は別として、このゆとりが有効に利用者に還元されない場合もあり、その場合は、間違いなくプライバシーの侵害どころか監視という名の抑制・拘束となることでしょう。

私自身はこのカメラの開発・設置に関しての可否を論じるつもりはありませんが、常に医療と介護の現場では、前の記事(医療機関の身体拘束)にあるように利用者の安全・利益と職員の都合という境界線が曖昧なところ、一概に判断し得ないところが多く存在します。
カメラに限らず、こういったものを使用するに当たっては、専門職としての倫理観と強い意識が求められるということを強く感じます。
個人的に私が一番恐れるのは、ツールや設備に頼った介護になること、この件でいえば、カメラに頼った介護をしてしまうことで、本来育まれるべき感性や経験からくる危険予知、リスク回避に影響を及ぼす恐れがあることです。もちろんプライバシーの問題も十分な議論がされる必要があると思います。
書類整理、入力業務そういったことに関しては、ツールを利用して業務を省略化することは簡単だと思いますが、利用者にかける時間や手間はなかなか省略化することは困難だと思います。
道具に頼る前に、ケアの質の平均化と拘束や抑制、ひいては虐待に対しての意識を高めることが必要であり、そこには当然事業所としての取り組みが必要になると思います。

余談として、今回の件については、介護の現場からカメラが必要だとあがったものではありません。ですが、この業界外の外部の方から見る介護の現場とは、カメラ開発して、売って(150万)、設置して、カメラで見守ればゆとりが生まれるといったような簡単なものに映るのかと、いささかがっかりした気分でもあります。

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2008/09/26(金) 08:59:13 | URL | サトシ #-[ 編集]
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